2008年11月16日、温かい雨でした。主催者、講師、参加者という、いつもの顔ぶれに加え、応援してくださるお客様、群馬情報メディア機構会員、また、特別ゲストとして自主映画制作の重鎮、高嶋芳男氏が東京からご参列くださいました。
主催者の短い挨拶の後、すぐに試写会を開始しました。講評方法は、まず作品を1つ試写します。そして、その作品の制作者ではないチームのメンバー全員に批判をお願いします。次にお客様とNPO会員に批判をお願いします。続いて、制作者本人に批判していただきます。最後に、講師陣と高嶋氏に最終評価をお願いします。そして、もう一度作品を試写しながら、具体的な改良アドバイスを講師の能勢カメラマンと高嶋氏にしていただく、という順序です。作品を褒めることはご遠慮願い、批判のみ、お願いしました。
自分たちのキャンパスライフを高校生たちに伝える、というテーマです。
引き画が多すぎること、そのために伝えたいポイントが不明であること、インタビュー内容と話の展開が想定視聴者の興味を引きそうにないこと、人の居ない寂しい画面や無意味なカットが多いこと、「この作品を観た高校生は、この大学は魅力的だ、と感じますか?」その他、辛口の批判が続きました。取材開始当初よりは撮影も編集もかなり上達していたのですが、講師の最終講評は、「これでは、ナレーションをつけて地方テレビのニュースに使うくらいしかできない、ドキュメンタリーにはなっていない」と厳しい内容でした。しかし、講師は、「あれもこれもと欲張らないで、ポイントを絞って撮影計画し直してごらんなさい」「撮影の時は、必ず被写体の2メートルまで自分の足で寄るんだよ」と、アドバイスしました。学生たちは、「作り直します!」と元気に答えました。
インラインスケートの楽しさを紹介する、というテーマです。
作品を観ていたら自分もインラインスケートをやってみたくなった、見ていて楽しかった、分かりやすかった、もっとスケーティングの映像を見ていたかった、と、お褒めの講評ばかりだったので、司会が「悪口もください。欠点を見つけてください。」とお願いしました。ようやく「転んだら痛いのに止めない理由がよくわからなかった、痛い!という印象が残った」というご意見をいただき、会場が楽しい笑いに包まれました。何度も高崎市内のインラインスケーターの取材に通って撮影し、編集も何回もやり直して練り上げた作品だけに、講師のアドバイスは少なく、「ラストシーンは、インタビューで終わるのではなく、気持ちよい滑りを見せて、爽快な印象を残してエンディングにするとよい」とのことでした。講師と高嶋氏から、3作品中、唯一の「合格」をいただきました。
残念なことに、この作品は、最終段階になってから取材対象者たちから公開許可の取り消しが出されたため、上映も放映もできません。講師は、今後も取材対象者たちと交流を続けて、十分にコミュニケーションを深め、取材側にも対象側にも価値ある形を模索し続けて、理解を得られる機会を諦めないでください、と話されました。
52才になるラリーイストが走り続ける気持ちを追う、というテーマです。
無意味なカットが多い、何を伝えたいのか分からない、もっと整理できないか、カメラが常に手ぶれしている、と酷評でした。1カメのフッテージだけでもテープ20本を超え、2カメ分と合わせると30本にもなるため、素材をラッシュするだけでも容易ではない上、監督、カメラマン、その他の参加者の意見が一本化できず、編集担当を悩ませていたので、貴重な映像や感動的内容を含みながら、作品としては福笑いの様相を呈していました。講師のアドバイスは、現シーケンスを維持したまま、不要カットを捨て、最低限の必要なカットを足すこと、でした。高嶋氏は、いっそ各人がそれぞれの構成でゼロから作り直してはどうか、何と言っても映像は脚本(ホン)が命だ、今のままではぶれすぎている、とアドバイスされました。
取材も編集も群馬特有の揺らぎのために整理がつきにくい状態になりましたが、各人版を作ることで、群馬的揺らぎが懐の深さや寛容さをにじませる効果となる可能性に賭けたい、と主催者は希望しています。
試写会での講評と講師と高嶋氏のアドバイスを反映した完成パッケージを作成し、12月中旬までに提出していただくことになっています。
放送用ドキュメンタリー制作ワークショップG-CONCEPT2008は無事に終了いたしました。
最初はまったくのビギナーであった参加者が、4カ月半という短期間で、ここまでの作品を作れるようになったのは、講師の先生たちの尽力、参加者たちの努力、ワークショップスタジオDUの協力のお陰でした。深く感謝申し上げます。
また、ワークショップ初期に行ったセミナーでは、上毛新聞社と株式会社群馬インターネットから練習用カメラを貸していただきました。G-CPONCEPTは地域貢献プログラムですので、地元のご協力をたいへん嬉しく思いました。
さらに、株式会社高崎情報サービスからは心強い応援をいただき、今後も群馬県においてメディアコンテンツ制作文化の普及と向上のため活動を続ける勇気をいただきました。心から、御礼申し上げます。
(群馬情報メディア機構代表、宮﨑寛子)